「マラソンの記録を伸ばしたいけど、忙しくてなかなか走る時間を確保できない」
「練習量は足りているのに、思うように記録が伸びていかない」
「月間走行距離を伸ばすとケガをしてしまう」
こんなお悩みが解決できます。
一般的に、フルマラソンでサブ3(3時間切り)を達成するためには、月間走行距離は300km以上必要だと考えられています。
しかし、先日出場したレースで、月間走行距離100kmでもサブ3を達成することができました。
少ない走行距離でサブ3が達成できたのは、トレーニングの「質」にこだわって取り組んだからです。
この方法は、サブ3を目指したいランナーに限らず、マラソンで記録を伸ばしたい全てのランナーに当てはまる内容です。
そこで今回は、走り込みをしなくてもマラソンの記録を伸ばしていくためのポイントを、5つに分けてご紹介します。
この記事を読むことで、トレーニングの「量」ではなく、「質」を上げていくことで、マラソンの記録を伸ばしていける方法が分かります。
この記事を書いている僕は、元高校球児で陸上経験はありません。
持久走はわりと得意な方でしたが、とにかく学生時代からケガが多く、公立高校の弱小野球部でも補欠でした。
そんな僕の初フルマラソンはサブ5からスタートし、そこからサブ4まで2年半、サブ3までは10年かかっています。
元々マラソンの才能があって、トントン拍子で結果が出ていったというよりは、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ記録を伸ばしていったタイプなので、多くのランナーの参考になると思います。
目次
走り込まなくてもマラソンの記録が伸びる5つのポイント
月間走行距離を伸ばさなくても、自己ベストを更新していけるポイントは、以下の5つがあります。
ポイント
① トレーニング計画を立て、振り返りを行う
② トレーニングの目的を明確にする
③ 最適な負荷設定でトレーニングを行う
④「走る」以外のトレーニングも行う
⑤ コンディションを整える
初めに言っておきますが、走り込みが全く必要ないとう訳ではありません。
そして、走り込みを否定している訳でもありません。
走るのが楽しいから走っていて、痛みやケガなく走れているのであれば、それはそれで良いと思います。
むしろ、走り込めるのであれば、その方がより記録を伸ばしていける可能性は広がります。
僕が月間走行距離を増やさずに、マラソンの記録を伸ばしていったのには、2つの理由があるからです。
一つは、僕自身が月間200kmを超えてくると、膝や脚の痛みが出てしまっていたため、300kmも走り込むような練習ができなかったからです。
もう一つは、ランニングトレーナーの立場として、トレーニングの「量」を増やさずに、「質」を高めることで、どこまで結果が出るか試してみたかったからです。
今回のポイントは、そんな僕が10年かけて少しずつブラッシュアップし、結果を出してきた方法です。
何かしらの理由で走り込む練習ができなかったり、走り込んでいるのに結果が出ない方には、多くのヒントを得ることができるでしょう。
月間走行距離100kmでサブ3を達成したトレーニングメニュー
5つのポイントを解説していく前に、僕がどんなトレーニングメニューでサブ3を達成したのかをご紹介しておきますね。
【火曜日】
リカバリージョグ 5km
【木曜日】
ポイント練習
1km×5 2km×3 3km2km1km 5km LT走
【土曜日or 日曜日】
ロング走 15〜20km
上記のメニューで、週25〜30kmがベースになります。
大会前の3ヶ月は、週末のロング走の距離を徐々に10〜15km程度に落としていくため、平均すると月間100km前後になります。
ちなみに、春から夏にかけてはトレラン、秋は大会に出場して、ある程度走り込み期間も作りますが、それでも月間200kmを超えることはありません。
年間で平均すると、月間150km程度になります。
トレーニングメニューだけを見ると、別に変わったことをやっている訳ではありません。
特別なことをするのではなく、トレーニングメニューをどうやっているか、その「質」の部分で違いを出すことができます。
では、そのポイントを解説していきますね。
①トレーニング計画を立て、振り返りを行う
マラソンシーズンが終わると、シーズンの振り返りを行い、次のマラソンシーズンに向けて、目標設定と年間のトレーニング計画を立てます。
年間スケジュールは、出場したいマラソン大会を決めて、準備期、実践期、調整期の3つに期分けしてトレーニング計画を作ります。
それを毎月のトレーニングメニューに落とし込み、月末、週末、トレーニング日ごとに振り返りを行なっていきます。
目標に向けて、ただ闇雲にトレーニングをするのではなく、長期的な計画を立てることが重要なのですが、それ以上に重要なことは「振り返り」です。
なぜなら、トレーニング結果を定期的に振り返ることによって、その時その時の状況に応じて、臨機応変にトレーニングメニューを変更していけるからです。
そもそも、初めに立てた計画通り進むことはまずありません。
ほとんどの場合、雨が降ったり、仕事や他の予定が入ってきたりすることで、計画の変更を余儀なくされます。
そんな時に、定期的に振り返りを行うことで、最速で目標達成に向けた軌道修正ができるのです。
振り返りは、良かった点と改善点を挙げて、メモに書き出していきます。
良かったと思える部分は継続し、改善点をどのように改善していくかを考え、トレーニング内容に反映させていきます。
このように、日々改善していくことで、本やネットの知識を間に受けるだけではなく、自分に合ったトレーニング方法を見つけていくことができます。
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②トレーニングの目的を明確にする
トレーニングには、トレーニングの5大原則と呼ばれるものがあり、その一つに「意識性の原則」があります。
意識性の原則とは、「なぜ、そのトレーニングをするのか?」という目的を明確にして、トレーニングをすることが大切だということです。
先程ご紹介したトレーニングメニューを例にあげると、
①リカバリージョグ
目的:疲労回復、フォーム修正
②ポイント練習
目的:スピード持久力の向上
③ロング走
目的:筋持久力の向上
となります。
本やネットの情報を引っ張ってきて、そのまま何となくこなすだけでは、質の高いトレーニングはできません。
目的意識をしっかり持って、1回1回のトレーニング を大切に行うことで、トレーニングの「質」を上げていくことができるのです。
もちろん、そのトレーニング内容が、自分の課題を改善していくためのメニューになっているかも重要です。
③最適な負荷設定でトレーニングを行う
トレーニングの目的は理解していても、多くのランナーができていないのが、「最適な負荷設定」です。
目標タイムから逆算して、走るペースを決めるのではなく、自分の走力やトレーニングをする日の調子に合わせて、走るペースを決める必要があります。
多くのランナーは、ペース設定が速すぎて、トレーニングの目的から外れた負荷設定になってしまっています。
例えば、練習会に参加して、周りのランナーに負けじと、ついついペースを上げてしまうパターンがあります。
やり切った感は出るのですが、本来のトレーニングの目的を満たす負荷設定ができていないため、走っている割にはなかなか走力アップに繋がりません。
最適な負荷設定をするためには、心拍数が測定できるランニングウォッチを活用して、心拍ゾーンを目安に走るペースを調整していきます。
リカバリージョグは心拍ゾーン2、ポイント練習は心拍ゾーン4〜5、ロング走は心拍ゾーン3〜4といった具合です。
そうすることで、自分の走力やトレーニングをする日の調子に合わせた、最適なペース設定でトレーニングをすることができます。
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④「走る」以外のトレーニングも行う
走り込みをしない代わりに、ランニングエコノミーを向上させていくためのトレーニングを行いました。
ランニングエコノミーとは、「ランニング中に、いかに無駄なエネルギーを使わず、効率的に走ることができるか」というものです。
ランニングエコノミーの50%以上は、ランニングフォームに影響されます。
つまり、ランニングフォームを改善していけば、ランニングエコノミーは大きく向上していきます。
フォーム改善の鍵を握るのは、「身体環境作り」と「身体操作能力」です。
「身体環境作り」とは、ランニングをするために必要な筋力や柔軟性が備わっている身体を作ることです。
「身体操作能力」とは、自分の身体を思い通りにコントロールすることができる能力のことです。
この2つの能力を向上させていくトレーニングを積み重ねていくことで、身体の本質的な能力を向上させていくことができます。
そうすることで、ケガのリスクを抑えながら、より軽やかに走ることができる、「効率的なランニングフォーム」を身に付けていくことができます。
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⑤コンディションを整える
トレーニングを継続するためには、常にコンディションを万全に整えておくことが大切です。
なぜなら、疲労が蓄積した状態では満足なパフォーマンスは発揮できませんし、ケガのリスクも上がってしまうからです。
ここでは、僕がコンディションを整えるために実践していることを、ザッとご紹介していきます。
【ストレッチ】
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まとめ
今回は、「走り込まなくてもマラソンの記録が伸びる5つのポイント」をテーマにお話しさせていただきました。
その5つのポイントとは、
ポイント
① トレーニング計画を立て、振り返りを行う
② トレーニングの目的を明確にする
③ 最適な負荷設定でトレーニングを行う
④「走る」以外のトレーニングも行う
⑤ コンディションを整える
です。
今回ご紹介した内容の中で、自分にも取り入れられそうなことがあれば、1つでもいいので行動に移してみて下さい。
その1つの行動の積み重ねが、大きな成長への布石となり、記録更新へと繋がっていきます。
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