
「ピッチとストライドって聞くけど、いったい何のこと?」
「ピッチを上げたり、ストライドを伸ばしたりした方がいいのかな?」
「より楽に、より速く走るためのピッチやストライドの目安が知りたい」
こんなお悩みが解決できます。
ランニングをしていると、「速く走るためにはピッチを上げたり、ストライドを伸ばしたりする必要がある」ということを耳にすることがあると思います。
ランニング指導の現場でも、「ピッチを上げてみたり、ストライドを伸ばしてみたりしたけど、どうもしっくりこない」という方からの相談をいただくことがあります。
そんな時僕は、「ピッチとストライドは気にしなくても良いですよ」とアドバイスします。
なぜなら、「その時の身体の状態や走力に応じて、その方にとって最適なピッチやストライドが決まる」からです。
つまり、ピッチやストライドは「意識して無理に変えようとする」のではなく、「自然と変わるようにトレーニングしていく」ことが大切なのです。
今回の記事では、ランニングのピッチやストライドについて解説し、その目安をお伝えします。
その上で、あなたにとって最適なピッチやストライドの身に付け方をご紹介します。
この記事を読むことで、ランニングでのピッチやストライドは気にしなくても良い理由が分かり、意識して無理に変える方法ではなく、あなたにとって最適なピッチやストライドに自然と変えていく方法を学ぶことができます。

「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスし、200名以上のランナーをマンツーマンで指導してきた実績があります。
ランニングのピッチとストライドは気にしなくても良い
Q.より速く走るために、ピッチを上げたり、ストライドを伸ばしたりする必要があるのか?
結論から言うと、無理に変えようとする必要はなく、気にしなくても良いです。
なぜなら、「その時の身体の状態や走力に応じて、その方にとって最適なピッチやストライドが決まる」からです。
人によって身長も違えば脚の長さも違います。
また、同じ人であってもトレーニングを積んでいくことによって、筋力や柔軟性は変わっていきます。
無理に意識してピッチを上げたり、ストライドを伸ばしたりすると、フォームが崩れてケガの原因となってしまう恐れさえあります。
ピッチやストライドは気にするのではなく、自然と変わっていくように「身体環境」や「身体操作能力」を向上させるためのトレーニングをしてくことが大切です。
そもそも、「ピッチ」や「ストライド」とは何なのか?
まずはここから確認しておきましょう。
ピッチとストライドとは?
ピッチ
・左右の足が1分間に地面に着く回数の合計(spm)
・ピッチ180なら、1分間に180回足が地面に着くということ
ストライド
・1歩あたりの歩幅(cm)
・ストライド100なら、1歩踏み出した時の右足と左足の距離が100cmあるということ
ピッチとストライドは、ランニング用のGPSウォッチがあれば簡単に計測することができます。
※ガーミンのアプリであれば、ランニング記録の左から2番目のページで確認できます。
走っているときの速度は、「ピッチ×ストライド」で計算されます。
つまり、速く走れるということは、ピッチかストライド、あるいは両方が大きくなっているということです。
だから、より速く走るためには、「ピッチを上げましょう」や「ストライドを伸ばしましょう」という話が出てくる訳です。
では、そのピッチやストライドは、どの位が目安になってくるのでしょうか?
ピッチとストライドの目安とは?
市民ランナーのピッチやストライドの目安は、平均を取って以下のように言われています。
ピッチの目安
・140〜180(spm)
ストライドの目安
・身長×0.6〜0.7(cm)
ちなみに、トップ選手のピッチとストライドもご紹介しておきましょう。
身長 | ピッチ | ストライド | 身長比 | |
野口みずき選手 | 150cm | 196.9 | 151.5 | 101% |
高橋尚子選手 | 163cm | 209 | 145.0 | 89% |
大迫傑選手 | 170cm | 184.5 | 181.7 | 106.9% |
キプチョゲ選手 | 167cm | 187.5 | 185.0 | 110.8% |
トップ選手でさえも、ピッチとストライドに一貫性がないことが分かります。
つまり、ご紹介したピッチとストライドの目安は、あくまで一般的な目安であり、正解はないということです。
最適なピッチとストライドは人によって変わってきますし、同じ人であっても、その時の身体の状態や走力によって変わってくるのです。
では、自分にとって最適なピッチやストライドは、どのように身に付けていったらいいのでしょうか?
あなたにとって最適なピッチとストライドの身に付け方
まず、意識して無理にピッチやストライドを変えようとしないでください。
無理にピッチを上げたり、ストライドを伸ばしたりすると、フォームが悪い方に崩れてしまう恐れがあります。
ピッチ走法やストライド走法という概念さえも、話をややこしくするので気にしなくて大丈夫です。
ピッチやストライドは「意識して無理に変えようとする」のではなく、「自然と変わるようにトレーニングしていく」ことが大切です。
「変えようとするのではなく、変わっていく」ためには、「身体環境」や「身体操作能力」を向上させていくトレーニングを取り入れていく必要があります。
2つの能力が向上していくことで、あなたが走っていて快適だと感じるピッチとストライドが、あなたにとって最も効率的に走れるピッチとストライドになっていきます。
そして、同じように走るトレーニングを積んだとしても、より楽に、より速く走れるようになります。
「身体環境」や「身体操作能力」に関する詳細は、こちらの記事で解説しています。
↓↓↓
-
-
あなたに本当に合ったランニングフォーム改善①【正しいランニングフォームなんてない】
正しいランニングフォームなんてありません。なぜなら、あなたに合ったランニングフォームを身に付けることが大切だからです。この記事では、正しいランニングフォームがない理由が分かり、あなたに合ったランニングフォームの身に付け方を学ぶことができます。
続きを見る
まとめ
今回は、「ランニングのピッチとストライド」についてお伝えさせていただきました。
話をまとめますね。
【ピッチとストライドとは?】
・ピッチ
→左右の足が1分間に地面に着く回数の合計(spm)
→ピッチ180なら、1分間に180回足が地面に着くということ
・ストライド
→1歩あたりの歩幅(cm)
→ストライド100なら、1歩踏み出した時の右足と左足の距離が100cmあるということ
【ピッチとストライドの目安とは?】
・ピッチの目安
→140〜180(spm)
・ストライドの目安
→身長×0.6〜0.7(cm)
【あなたにとって最適なピッチとストライドの身に付け方】
・「意識して無理に変えようとする」のではなく、「自然と変わるようにトレーニングしていく」ことが大切
・「身体環境」や「身体操作能力」を向上させていくトレーニングを取り入れていく
・2つの能力が向上していくことで、あなたが走っていて快適だと感じるピッチとストライドが、あなたにとって最も効率的なピッチやストライドに変わっていく
というお話しでした。
今回のピッチやストライドの話も含めて、ネットや本の情報の上っ面だけを取り入れてしまうことで、失敗してしまうことがあります。
例えば、ストライドを伸ばそうと意識して走っていたら、脚を痛めてしまったということがあります。
ストライドが伸びるということは、それだけ着地する時の脚にかかる衝撃は大きくなります。
その着地衝撃に耐えられるだけの筋力が備わっていないと、無理にストライドを伸ばすことで、脚を痛めてしまう原因となってしまうのです。
そんな方を少しでも減らすきっかけになれたらと思い、ピッチやストライドについて解説させていただきました。
あなたも、今回の記事を参考に、自分に合った最適なピッチやストライドを身に付けていってくださいね。
それでは、また。
-
-
あなたに本当に合ったランニングフォーム改善①【正しいランニングフォームなんてない】
正しいランニングフォームなんてありません。なぜなら、あなたに合ったランニングフォームを身に付けることが大切だからです。この記事では、正しいランニングフォームがない理由が分かり、あなたに合ったランニングフォームの身に付け方を学ぶことができます。
続きを見る