「ダイエット目的で走る時のペースや、マラソンに向けたトレーニングで走るペースの違いはあるの?」
「走る目的に合わせた強度の設定方法が知りたい」
こんなお悩みが解決できます。
効率的にトレーニングをしていくためには、ランニングの強度設定を最適化する必要があります。
その際、ダイエット目的の場合とマラソンに向けたトレーニングの場合とでは、トレーニング強度の設定に違いがあり、強度が弱すぎても強すぎても思うような結果が得られません。
その強度設定を「キロ何分で走る」というように、ペースを目安に考えている方も多いのではないでしょうか?
僕がランニング指導する際は、ランニングの強度設定は「ペース」ではなく「心拍数」で設定することをおすすめしています。
今回の記事では、ランニングの強度設定は、ペースでは心拍数で設定するべき3つの理由をお伝えし、それぞれの理由について解説していきます。
この記事を読むことで、心拍数をもとにして、走る目的に合わせた最適な強度の設定方法を知ることができます。
この記事を書いてる僕は、2つの医療系国家資格(鍼灸師・柔道整復師)と栄養指導の資格(スポーツ栄養医学指導士)を保有している日本で唯一のランニングトレーナーです。
「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスしてきた実績があります。
目次
ランニングの強度設定は、ペースではなく心拍数で設定するべき3つの理由
ランニングをする時の負荷を適切に設定するためには、「1キロあたり7分ペースで走る」というようなペースから設定するのではなく、心拍数を測定して、その心拍数をもとにペースを調整することが大切です。
その理由は、大きく分けて以下の3つがあります。
ポイント
①心拍ゾーンによって、運動効果が変わってくるから
②一人ひとり体力レベルが違うから
③体調に応じて強度設定を柔軟に変更できるから
それぞれの理由を詳しく解説していきますね。
①心拍ゾーンによって運動効果が変わってくる
ランニングのトレーニング効果は、心拍ゾーンによって変わってきます。
心拍ゾーンとは、最大心拍数に対する割合を基に計算され、ゾーン1~ゾーン5の5つのゾーンに分類されます。
ゾーンの数字が大きいほど、運動強度が高いことを示しています。
以下の心拍ゾーンを参考に強度設定をすることで、効率的にランニングでのトレーニング効果を得ることができます。
【ゾーン1(リラックス):最大心拍数の50~60%】
ゾーン1でのトレーニングは、リラックスした楽なペースで規則的に呼吸をしているような気分になります。そのため、心臓が血液を送出する能力と筋肉が酸素を使用する能力が向上します。早歩きは典型的なゾーン1の運動です。
【ゾーン2(イージー):最大心拍数の60~70%】
ゾーン2のトレーニングは快適なペースで行われ、深く呼吸していますが、会話を続けることはできます。これは回復と基本的な心血管トレーニングに適しています。軽いジョギングは通常、ゾーン2に分類されます。
【ゾーン3(モデレート):最大心拍数の70~80%】
ゾーン3のトレーニングは適度なペースで行われ、会話を続けるのが難しくなります。これにより肺と心臓が強化され、持久力が向上します。軽いランニングはゾーン3に分類されます。
【ゾーン4(ハード):最大心拍数の80~90%】
ゾーン4では、強い呼吸をしながら、速くてほとんど不快なペースで動いています。そのため、無酸素運動能力と乳酸閾値が向上します。速いランニングはゾーン4に分類されます。
【ゾーン5(エキスパート):最大心拍数の90~100%】
ゾーン5に達すると、通常は長時間持続するのが難しいスプリントペースになります。呼吸が困難です。ゾーン5のトレーニングは、パワーだけでなく、無酸素運動能力と筋肉持久力を高めます。
引用:Garmin connect
ダイエットを目的として走る場合は、心拍数がゾーン2〜3に収まるように走る必要があります。
心拍ゾーン2〜3が一番脂肪をエネルギーとして消費するゾーンだからです。
最大心拍数の80%を超えるようなペース(ゾーン4以上)で走ってしまうと、脂肪をエネルギーとして消費する割合が下がってしまい、ダイエットの効率も下がってしまいます。
マラソンに向けたトレーニングとして走る場合は、
・疲労蓄積を防ぐことを目的とする場合→ゾーン2
・長い距離を走る力をつける場合→ゾーン3
・スピードを維持する力をつける場合→ゾーン4
というように、ゾーン2〜4を練習メニューに応じて使い分けていきます。
いつも同じようなペースで走って、月間走行距離だけで満足していては、マラソンでの走力向上はなかなか望めません。
ダイエット目的であっても、マラソンに向けたトレーニング目的であっても、心拍数に応じた適切な強度設定ができていないと、得たい効果は充分に得られないのです。
②一人ひとり体力レベルが違う
同じキロ7分ペースでも、余裕を持って走り続けられる人もいれば、しんどくて走り続けられないという人もいます。
それは、一人ひとり体力レベルに違いがあるからです。
一般的にキロ7分ペースはゆっくりと走るペース設定のため、ランニング初心者の方でも余裕を持って走ることができる目安のペースとして紹介されています。
しかし、今まで運動習慣が全くなかった方や、体重が以前より大幅に増加してしまった方などは、キロ7分ペースでもしんどくて走り続けられないという方は普通にいます。
同じキロ7分ペースでも、心拍ゾーン2で走れる方もいれば、ゾーン4を超えてしまう方もいるということです。
そして、同じ人でも走り始めはキロ7分ペースがゾーン4だったとしても、トレーニングを積むことで体力がつき、ゾーン4からゾーン3になりゾーン3からゾーン2になっていきます。
そうすると、いつも同じペース設定で走っていると、ランニングでのトレーニング効果が変わってきてしまいます。
このようなことが起こらないように、ペースではなく心拍数を強度設定の目安にすることで、客観的に強度を評価できるようになり、一人ひとりのその時の体力レベルに応じた適切な強度設定をすることができます。
③体調に応じて強度設定を柔軟に変更できる
心拍数はその日の体調を客観的に評価する指標にもなります。
疲労が蓄積している時は、いつもと同じペースで走っていても心拍数が上がりやすくなります。
例えば、1週間前はキロ7分ペースをゾーン2で走れていても、疲労が蓄積していると同じキロ7分ペースでもゾーン3になるということです。
そうなると、疲労の蓄積を防ぐために走るはずが、長い距離を走る力をつけるための負荷になり、余計に疲労が蓄積していくという結果になってしまいます。
その他、同じペースでも気温や湿度などの外的な要因によって、身体にかかる負担は変わってきて、その負荷の大きさに応じて心拍数も変化していきます。
このように、ペースではなく心拍数をもとに強度を設定することで、その時その時の調子を見ながら負荷を適切に設定することができます。
心拍数で強度を設定する方法
「ペースではなく心拍数をもとに強度設定をした方がいいことは分かった。では、実際にどのように強度を設定して確認していったらいいの?」という疑問にお答えしていきます。
一番簡単でおすすめの方法は、「心拍数が測定でき、心拍ゾーンが確認できるランニングウォッチ」を活用することです。
なぜなら、走っている最中もリアルタイムで心拍数を確認でき、走った後に心拍ゾーン時間の割合までグラフで分かりやすく表示してくれるため、手間が一番かからないからです。
また、走ったデータが蓄積されていくことで、より正確にあなたの最大心拍数や安静時心拍数に合わせた心拍ゾーンが表示されるようになります。
その他、アップルウォッチなどのスマートウォッチや活動量計を使って心拍数を測定する方法もありますが、ランニングでの使用をメインとしては作られていないため、ランニング中の心拍数の測定精度が落ち、心拍ゾーンも後で確認することができません。
そうすると、心拍ゾーンを自分で計算して割り出す必要がありますし、そもそも心拍数のデータが正確に測定されていない可能性があります。
よって、心拍数をもとに強度を設定するためには、「心拍数が測定でき、心拍ゾーンが確認できるランニングウォッチ」を活用することが最も適切に強度を設定できる方法となります。
おすすめのランニングウォッチに関してはこちらの記事でご紹介していますので、参考にしてみてください。
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心拍数が測定でき、心拍ゾーンが確認できたら、あとは得たいトレーニング効果に合わせた心拍ゾーンで走るだけです。
ダイエットが目的の場合はゾーン2〜3、マラソンに向けてスピードを維持する力を付けたい場合はゾーン4をキープできるようにペースを調整しながら走るといった感じですね。
まとめ
今回は、「ランニングの強度設定」についてお伝えさせていただきました。
話をまとめますね。
【ランニングの強度設定は、ペースではなく心拍数で設定するべき3つの理由】
①心拍ゾーンによって、運動効果が変わってくるから
②一人ひとり体力レベルが違うから
③体調に応じて強度設定を柔軟に変更できるから
【心拍ゾーンによって運動効果が変わってくる】
・ランニングのトレーニング効果は、心拍ゾーンによって変わってくる
・ダイエットを目的として走る場合→心拍数がゾーン2〜3
・マラソンに向けたトレーニングとして走る場合
⑴疲労蓄積を防ぐことを目的とする場合→ゾーン2
⑵長い距離を走る力をつける場合→ゾーン3
⑶スピードを維持する力をつける場合→ゾーン4
【 一人ひとり体力レベルが違う】
・同じキロ7分ペースでも、余裕を持って走り続けられる人もいれば、しんどくて走り続けられないという人もいる
・同じ人でも走り始めはキロ7分ペースがゾーン4だったとしても、トレーニングを積むことで体力がつき、ゾーン4からゾーン3になっていく
・心拍数を強度設定の目安にすることで、客観的に強度を評価できるようになり、一人ひとりのその時の体力レベルに応じた適切な強度設定をすることができる
【体調に応じて強度設定を柔軟に変更できる】
・疲労が蓄積している時は、いつもと同じペースで走っていても心拍数が上がりやすくなる
・同じペースでも気温や湿度などの外的な要因によって、身体にかかる負担は変わってきて、その負荷の大きさに応じて心拍数も変化していく
・心拍数をもとに強度を設定することで、その時その時の調子を見ながら負荷を適切に設定することができる
【心拍数で強度を設定する方法】
・「心拍数が測定でき、心拍ゾーンが確認できるランニングウォッチ」を活用する
・心拍数が測定でき、心拍ゾーンが確認できたら、あとは得たいトレーニング効果に合わせた心拍ゾーンで走るだけ
というお話しでした。
闇雲に距離を走るような練習をしていては、痛みやケガの原因となります。
ペースではなく、心拍数で強度を適切に設定することで、効率的にトレーニングを積み重ねていくことができ、走り過ぎのよる痛みやケガの予防にもつながるため、ぜひ取り入れてみてくださいね。
最後に注意点として、人によっては心拍数の測定結果と実際に身体にかかっている負荷に差が出ることがあり、個別の調整が必要なこともあります。
「心拍数をもとにしばらく走ってみたけど、どうもしっくりこないな」と感じる場合は、ランニング指導のプロの方に相談してみてください。
それでは、また。
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