ランニングの知識

ランニングで【ワラーチ】や【ベアフットシューズ】を履くとケガをする?

 

お悩み
「膝の痛みを改善するためにワラーチを履いて走ってみたけど、改善するどころか脚が痛くなってしまった」

「フォアフット走法を身に付けたくてベアフットシューズを履いて走ってみたけど、ふくらはぎがパンパンに張ってしまう」

「高性能のランニングシューズは足に悪く、裸足で走れる方が足に良いと思っていたけど、どちらが正しいのかな?」

 

こんなお悩みが解決できます。

 


2010年に出版された「BORN TO RUN」という本が注目されたことをきっかけに、本に登場するタラウマラ族が履いている「ワラーチ」や「ルナサンダル」などのサンダルシューズ、主に「ビブラム」「メレル」などが出していて、裸足感覚で走ることができる「ベアフットシューズ」が流行りだしました。

その背景には、「高性能のランニングシューズを履くことで、足は守られすぎて機能が退化してしまい、シューズに頼った走り方がケガの原因となっている」「裸足(ベアフット)もしくは裸足に近い感覚で走れるシューズを履いて走ることで、足の本来の機能を取り戻すことができ、フォアフット走法に改善することでケガを防ぐことができる」という考え方があります。

 

ところが、ランニング指導の現場では「ワラーチを履いて走ってみたら、足首を痛めてしまった」「フォアフット走法を身に付けたくてビブラムを履いて走ってみたら、ふくらはぎがパンパンに張ってしまい、とても走れそうもない」といった相談を受けることがあります。

これは、ランニングでワラーチやベアフットシューズを履くことで、痛みを感じたり、ケガをしてしまったりする方が一定数いるということです。

正しいランニングフォームを身に付け、ケガを防ぐことを目的に考えられたものが、なぜこのような結果になってしまうのでしょうか?

そこには、①正しくステップを踏んでいない ②身体の構造的に向いていない という2つの理由が考えられます。

 

今回の記事では、ランニングでワラーチやベアフットシューズを履いてケガをしてしまう方の2つの理由について解説していきます。

また、そもそも誰もが「裸足(ベアフット)ラン」を取り入れる必要があるのかについてもお話しさせていただきます。

この記事を読ことで、ワラーチやベアフットシューズを履いてランニングをするとケガをしてしまう方の理由が分かり、あなたが裸足(ベアフット)ランを取り入れる必要があるのかどうかについて学ぶことができます。

 

 

コンちゃん
この記事を書いてる僕は、医療系国家資格(鍼灸師・柔道整復師)を有する数少ないランニングトレーナーです。
「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスし、200名以上のランナーをマンツーマンで指導してきた実績があります。

 

 

 

ランニングでワラーチやベアフットシューズを履くとケガをする?

 

ランニング指導の現場では、ワラーチやベアフットシューズを履いてランニングをすることで、痛みを感じたりケガをしてしまったりする方がいます。

本来は痛みやケガを防ぐことが目的なはずなのに、どうして反対の痛みやケガの原因となってしまうのでしょうか?

 

その理由として、以下の2つが考えられます。

 

ポイント

①正しくステップを踏んでいない

②身体の構造的に向いていない

 

それぞれ詳しく解説していきますね。

 

 

 

 

①正しくステップを踏んでいない

 

痛みを感じたり、ケガをしてしまう方の多くは、正しくステップを踏んで走ることができていません。

裸足(ベアフット)ランの指南書には、30ものステップを踏んで少しずつ身体を慣らしていくように書かれています。

まずは芝生で裸足に慣れさせて、ジャンプ動作でフォアフット着地の感覚を身に付け、5分ほどの短い時間から走ることに慣れさせていくといった具合です。

それほど丁寧にステップを踏んでいかないと、身体に大きな負担がかかってしまうということです。

 

歩き始めた時からシューズを履き、現在まで靴を履き続けてきた足が、そう簡単に裸足や裸足に近い感覚で走ることに対応できるはずがないですよね?

ワラーチやベアフットシューズを履いて痛みやケガをしてしまう方の多くは、このステップをすっ飛ばして、いきなりアスファルトの上を走り出してしまいます。

 

正しいステップを踏んで少しずつ身体を慣らしていかないと、正しいフォームが身につく前に、その着地衝撃に身体が耐えきれず、痛みやケガの原因となってしまうのです。

 

 

②身体の構造的に向いていない

 

元々持っている身体の特徴や、長年の身体の使い方の影響で、身体の構造的にフォアフット走法が向いていない人もいます。

タラウマラ族とは違い、歩き始めた時からシューズを履き、アスファルトの上を歩いてきた日本人は、そもそもフォアフット走法が向かない人が多いことが考えられます。

なぜなら、長年靴に守られることによって、ワラーチやベアフットシューズを履きこなせるまでの足の機能まで戻らないほど退化してしまっている可能性があるからです。

 

コンちゃん
僕自身のケースでも、右足のアキレス腱が弱くなっていて、フォアフット走法にした方が脚の痛みが増してしまったため、現在はミッドフット走法にしています。

 

このように、ベアフットランが身体の構造的に向いていない方は、ワラーチやベアフットシューズを履いて走ることで身体に大きな負担がかかり、痛みやケガの原因となってしまいます。

その場合は、ワラーチやベアフットシューズではなく、高性能のシューズやインソールで足を守ってあげる必要があります。

 

例えると、目が悪くなってしまった方には、視力回復のためのトレーニング方法(ワラーチやベアフットシューズ)もあるにはあるけど、全ての方に回復が望める訳ではないので、もっと簡単に視力を回復させることができるメガネやコンタクト(シューズやインソール)を使いましょうといった感じです。

 

 

 

 

ベアフットランは必要なのか?

 

さて、ここまではベアフットランを取り入れることによって、痛みやケガの原因となってしまう理由について解説させていただきました。

ここでは、あなたがベアフットランを取り入れる必要があるのかどうかについて考える際に参考になる情報をお伝えしていきます。

 

まず、ベアフットランの指南書に書かれている「シューズを使って走る」ことに関してのデメリットを確認しておきましょう。

 

メモ

①カカト着地でブレーキがかかる

②身体の真下で着地できない

③大きな衝撃が膝に伝わる

 

これらのデメリットが働くことで、脚の痛みやケガの原因となるため、ベアフットランを取り入れてフォアフット走法にすることで、身体に負担の少ない走り方を身に付けることができるということです。

 

しかし、これからのデメリットはベアフットランを取り入れなくても、フォーム改善のトレーニングに取り組むことで対応することができます。

この辺りの詳細に関しては、こちらの記事からご確認ください。

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つまり、ベアフットランは身体に負担の少ないフォームを身に付けるためのあくまで手段の一つであり、必ずしもベアフットランでなければならないという訳ではありません。

もし、興味があれば取り組んでみるといいですが、取り入れ方を間違えたり、身体の構造的に向いていない場合は、痛みやケガの原因となる可能性があることも頭に入れておく必要があります。

 

これらのことを理解した上で、あなたにとってベアフットランを取り入れる必要があるのかどうかについて考えるようにしてみて下さい。

 

 

まとめ

 

今回は、「ランニングでワラーチやベアフットシューズを履くリスク」についてお伝えさせていただきました。

 

話をまとめますね。

 

【ランニングでワラーチやベアフットシューズを履くとケガをする?】

・ランニングでワラーチやベアフットシューズを履いてケガをする2つの理由

①正しくステップを踏んでいない

②身体の構造的に向いていない

 

【①正しくステップを踏んでいない】

・正しいステップを踏んで少しずつ身体を慣らしていっていない

・正しいフォームが身に付く前に、着地衝撃に身体が耐えきれず、痛みやケガの原因となってしまう

 

【②身体の構造的に向いていない】

・元々持っている身体の特徴や、長年の身体の使い方の影響で、身体の構造的にフォアフット走法が向いていない人もいる

・ワラーチやベアフットシューズを履いて走ることで身体に大きな負担がかかり、痛みやケガの原因となってしまう

 

【ベアフットランは必要なのか?】

・ベアフットランを取り入れなくても、フォーム改善のトレーニングに取り組むことで対応することができる

・ベアフットランは身体に負担の少ないフォームを身に付けるためのあくまで手段の一つであり、必ずしもベアフットランでなければならないという訳ではない

 

というお話しでした。

 

ベアフットランのことを悪く言っているような内容になってしまいましたが、決してそういう訳ではありません。

上手く取り入れることができれば、身体に負担の少ない効率的なフォームに改善できる可能性は大いにあります。

 

ただ、流行りに乗ってワラーチやベアフットシューズを取り入れてみたはいいけど、上手く履きこなせずに痛みやケガの原因となってしまっているランナーを何人もみてきました。

そして、痛みが出たりケガをしたりした原因は、まだ走り方が悪くて履きこなせていない自分が悪いといったように捉えてしまっています。

 

そんな中で、今回の記事がベアフットランはフォーム改善におけるあくまで手段の1つであるということを認識し、あなたにとって本当に必要なのかどうかを考える際の参考になれば幸いです。

 

 

それでは、また。

 

 

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