「手作りのスポーツドリンクって、どうなのかな?」
「スポーツドリンクを手作りするためのレシピを知りたい」
こんなお悩みが解決できます。
前回のブログで、スポーツドリンクの効果と種類、ランニング時におすすめのスポーツドリンクを6つご紹介させていただきました。
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スポーツドリンクの【効果】と【種類】&ランニング時のおすすめ6選!
ランニング中の水分補給として欠かせないスポーツドリンクの効果や種類、効果的な飲み方について解説します。
そして、スポーツ栄養学の視点からみた、ランニング時におすすめのスポーツドリンクを6つご紹介します。続きを見る
記事を見ていただければ分かりますが、市販のスポーツドリンクにはそれぞれ良し悪しがあり、これが1番と言えるものはありません。
その良し悪しの「悪し」をなくし、「良し」だけのスポーツドリンクにするには、手作りするしかありません。
そこで今回は、スポーツドリンクは手作りするのが1番良い理由を解説し、理想のスポーツドリンクのレシピをご紹介します。
この記事を読むことで、理想のスポーツドリンクを自作できるようになり、ランニング時の水分補給の質が上がることで、日々のトレーニングの質を上げていくことができます。
この記事を書いてる僕は、2つの医療系国家資格(鍼灸師・柔道整復師)と栄養指導の資格(スポーツ栄養医学指導士)を保有している日本で唯一のランニングトレーナーです。
「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスしてきた実績があります。
目次
スポーツドリンクは手作りするのが1番
スポーツドリンクは、市販のものでなく、手作りすることをおすすめします。
その理由は、以下の3つです。
①糖質と塩分の量を調整できるから
②ビタミンやミネラルを豊富にとれるから
③人工甘味料や食品添加物をとらなくて済むから
①糖質と塩分の量を調整できるから
スポーツドリンクを手作りすることで、糖質や塩分の分量を自由に調整することができます。
分量を調整することで、必要に応じてアイソトニック、ハイポトニック、経口補水液を作り分けることができます。
また、糖質や塩分の量によって味覚も変わるため、自分の好みの味に調整することもできます。
②ビタミンやミネラルを豊富にとれるから
スポーツドリンクを手作りすることで、糖質に黒糖(黒砂糖)を使うことができます。
黒糖は、市販されているスポーツドリンクに使われている砂糖や果糖ブドウ糖液糖、人工甘味料と比べて、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
特に、ビタミンB群やマグネシウム、鉄や亜鉛は、エネルギー代謝に大きく関わるため、糖質と一緒にとることが重要です。
③人工甘味料や食品添加物をとらなくて済むから
スポーツドリンクを手作りすることで、身体にとって余計な負担になる、人工甘味料や食品添加物をとらなくて済みます。
市販されているスポーツドリンクの中で、人工甘味料と食品添加物の両方が使われていないスポーツドリンクはありません。
手作りであれば、食材にこだわることでそれが可能になります。
理想のスポーツドリンク5ヶ条
手作りスポーツドリンクのレシピをご紹介する前に、理想のスポーツドリンクの条件をお伝えしておきますね。
以下の5つの条件を全て満たしたスポーツドリンクが、理想のスポーツドリンクと言えます。
①糖質(エネルギー)がとれること
②糖質を回すビタミン・ミネラルがとれること
③水分と塩分がとれること
④すぐ体内に吸収されること
⑤身体に負担がかかるものが入っていないこと
①糖質(エネルギー)がとれること
ランニング中に、メインとなるエネルギー源は糖質です。
糖質が枯渇してしまうと、身体がガス欠を起こしてしまい、パフォーマンスの低下に繋がってしまいます。
また、糖質の中でもグルコースとフルクトースを両方同時にとった方が、効率的にエネルギーを生産できることが分かっています。
よって、スポーツドリンクに含まれる糖質は、エネルギーの含まれない人口甘味料ではなく、グルコースとフルクトースの両方が含まれる糖質が理想的です。
②糖質を回すビタミン・ミネラルが取れること
糖質単体ではエネルギーになることができません。
エネルギーに変換する過程では、ビタミンやミネラルの働きが必要になります。
よって、ビタミンB群やマグネシウム、鉄や亜鉛などが豊富に含まれるスポーツドリンクが理想的です。
③水分と塩分がとれること
発汗により水分と塩分(電解質)が失われます。
そこで水だけを飲むと、体液の電解質濃度が薄まってしまいます。
そうすると、身体は体液の電解質濃度を正常に保つために、水を体外に排出してしまうので、体液量は減ったまま回復しません。
そのため、水分だけではなく塩分も一緒にとれることが重要です。
よって、運動時の水分補給は、0.1〜0.2%の塩分濃度が推奨されています。
④すぐ体内に吸収されること
飲み物は、糖質濃度が高くなればなるほど、胃に溜まりやすくなります。
2〜8g/100mLまでは、胃から小腸への排出速度はほとんど変わりませんが、8gを超えたあたりから大きく低下していきます。
コーラを飲むと胃に溜まってゲップが出やすくなるのは、この糖質濃度の高さに原因があります。
よって、すぐ体内に吸収されるためには、糖質濃度2〜8%かつ塩分濃度0.1%〜0.2%のスポーツドリンクが理想的です。
⑤身体に負担がかかるものが入っていないこと
ランニング中は、脳と筋肉になるべく「糖」を回して、他の臓器のエネルギー消費を抑えた方が、パフォーマンスは上がります。
食品添加物や人工甘味料が含まれるスポーツドリンクは、腸や肝臓、腎臓などの負担が増えてしまいます。
実際に、お腹が緩くなってしまうなどの不調を感じる方もいます。
よって、食品添加物や人工甘味料などの身体に負担がかかるものが入っていないスポーツドリンクが理想的です。
以上の5つのすべての条件を満たすスポーツドリンクは、市販品では存在しません。
理想のスポーツドリンクは手作りするしかないのです。
理想のスポーツドリンクの作り方
理想のスポーツドリンク5ヶ条を全て満たす、スポーツドリンクの作り方をご紹介します。
作り方
・水 500ml
・黒糖(黒砂糖)
→20~30g(アイソトニック)
→10g(ハイポトニック、経口補水液)
・自然海塩
→1g (アイソトニック、ハイポトニック)
→1.5g(経口補水液)
・レモン果汁 大さじ1
・ハチミツ 小さじ1
①水500mlに対して、アイソトニック飲料を作りたい場合は、黒糖を20〜30gの間で好みの量を入れます。
ハイポトニック飲料または経口補水液を作りたい場合は、10gにします。
②水500mlに対して、アイソトニック飲料またはハイポトニック飲料を作りたい場合は、自然海塩を1g入れます。
経口補水液を作りたい場合は、少し多めの1.5gにします。
③レモン果汁とハチミツは、味を整えて飲みやすくするために入れます。
また、レモン果汁にはクエン酸、ハチミツにはアミノ酸が含まれているため、それぞれ疲労回復や筋疲労の予防として役に立ちます。
食材の選び方
①水道水ではなく、浄水器かミネラルウォーターの水を選ぶ
→水道水には塩素だけではなく、放射性物質、発がん性物質などが含まれている可能性があります。
有害物質が含まれている可能性が低い、NSF認証のある浄水器かミネラルウォーターの水を選ぶようにしましょう。
②黒糖(黒砂糖)は有機のもので、ビタミン・ミネラルの含有量が多いものを選ぶ
→砂糖ではなく黒糖を選ぶことで、ビタミンやミネラルを豊富に含んだ糖質をとることができます。
栄養成分表を見て、ビタミンやミネラルの含有量がより多い黒糖を選ぶようにしてみてください。
③自然海塩は、マグネシウム・カリウム・カルシウムの含有量が多いものを選ぶ
→精製された食塩ではなく、天然塩を選ぶことで、マグネシウムやカリウム、カルシウムといったミネラル分を豊富にとることができます。
黒糖と同じく、栄養成分表を見て、ミネラル分の含有量がより多いものを選ぶようにしてみてください。
④レモン果汁は有機のもので、濃縮還元ではなくストレートのものを選ぶ
→レモンを絞って作るのが理想ではありますが、毎回絞るのは手間がかかるので、市販のレモン果汁で大丈夫です。
濃縮還元タイプとストレートタイプがありますが、ストレートタイプの方が自然な酸味を感じられます。
⑤ハチミツは非加熱で混ざりものがないアカシアを選ぶ
→飲んだ時の飲みやすさを重視するなら、非加熱のアカシアハチミツがおすすめです。
グリホサート(除草剤)不使用や、残留農薬検査済の混ざりがないものを選ぶようにしてみてください。
まとめ
今回は、理想のスポーツドリンクとその作り方についてお伝えさせていただきました。
スポーツドリンクは自作することによって、濃度設定を自由に調整できるため、アイソトニック、ハイポトニック、経口補水液を必要に応じて作り分けることができます。
また、食材にこだわることで、ビタミンやミネラルを豊富に含み、市販品にはない有害物質フリーを達成することができます。
市販品と比べて少しだけ作る手間はかかりますが、身体に優しく味も美味しいので、ぜひ試してみてください。