「ランニングに筋トレって必要なのかな?」
「ランニングには、どんな筋トレが効果的なんだろう?」
「ランナーに効果的な筋トレの方法が知りたい」
こんなお悩みが解決できます。
ランナーの方をサポートさせていただいている中で、よく聞かれることの一つが「筋トレ」についてです。
質問内容として多いのは、「筋トレは必要なの?」「やるならどんな筋トレがいいの?」「ランニングに効果的な筋トレの方法が知りたい」などです。
ランニングに筋トレは絶対に必要というわけではありませんが、「ケガをしたくない」「ダイエットをしたい」「マラソンで良い記録を出したい」という方は必要となります。
ただし、筋トレにはデメリットもあり、やり方を間違えてしまうと、思うような結果に繋がらないどころか、疲労やケガの原因になってしまう可能性さえあります。
そこで今回は、ランニングに筋トレが必要な理由や筋トレのデメリットを解説し、ランニングに効果的な筋トレの方法をご紹介します。
この記事を読むことで、ランニングに繋がる正しい筋トレの方法を学ぶことができ、ケガの予防・改善やダイエット、マラソンでの記録向上に役立てることができます。
この記事を書いてる僕は、2つの医療系国家資格(鍼灸師・柔道整復師)と栄養指導の資格(スポーツ栄養医学指導士)を保有している日本で唯一のランニングトレーナーです。
「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスしてきた実績があります。
目次
ランニングに筋トレは必要
ランニングやマラソンをするために、筋トレが絶対に必要という訳ではありません。
しかし、
「ケガをしたくない」
「ダイエットをしたい」
「マラソンで良い記録を出したい」
このような思いがある方は、筋トレが必要です。
なぜなら、筋トレを取り入れることで、あなたの望む結果を実現させるために役に立つからです。
ただし、筋トレにはデメリットもあります。
自己流のやり方や、YouTubeで適当に見つけたやり方、ランニングに関して詳しくないトレーナーのやり方などをそのまま実践してしまうと、デメリットの方が強く働いてしまい、思うような結果は得られません。
あなたが望む結果が欲しいのであれば、筋トレのデメリットをしっかりと理解した上で、ランニングに効果的な筋トレを実践することが大切です。
ランニングに筋トレが必要な3つの理由
ランニングに筋トレが必要な理由は、以下の3つがあります。
①ケガの予防・改善に繋がるから
②ダイエットの効率UPに繋がるから
③ ランニングのパフォーマンスUPに繋がるから
詳しく解説していきますね。
①ケガの予防・改善に繋がるから
ランニングをしていてケガをしてしまう原因の一つに、「筋力不足」があります。
ランニングの着地衝撃は、体重の約3倍の負荷がかかります。
この負荷に耐えられるだけの筋力が不足していると、身体に大きな負担がかかってしまい、ケガに繋がってしまいます。
筋トレを行って筋力を高めることによって、着地衝撃に負けない強い身体を作ることができます。
そうすることで、ランニングでのケガの予防や改善に繋がります。
②ダイエットの効率UPに繋がるから
ダイエットを成功させる要因の一つに、「代謝の向上」があります。
代謝が上がることで、1日の消費カロリーが大きくなり、痩せやすくなります。
筋トレを実施した直後は、成長ホルモンというホルモンの分泌が盛んになります。
この成長ホルモンは、脂肪の分解を促す作用があります。
また、筋トレを行なって筋肉量が増えてくると、基礎代謝が上がってきます。
つまり、ランニングを行っていない時でも、カロリーを消費しやすくなります。
このように、筋トレを行うことによって、代謝が上がり、ダイエットの効率UPに繋がります。
③ ランニングのパフォーマンスUPに繋がるから
ランニングのパフォーマンスを構成する要素の一つに、「ランニングエコノミー」があります。
同じガソリンを積んだ車でも、燃費の良い車の方が、少ないガソリンで長時間走れます。
それと同じように、ランニングエコノミーが高いと、少ないエネルギーで長時間走ることができるので、その分ランニングのパフォーマンスは上がります。
ランニング動作に合わせた筋トレを行うことで、走るために必要な身体の動きを改善していくことができます。
そうすることで、ランニングエコノミーが向上して燃費の良い走りができるようになります。
このように、筋トレを行うことによって、ランニングのパフォーマンスが上がり、マラソンでの記録向上に繋がります。
筋トレにはデメリットがある
筋トレのメリットの部分をご紹介しましたが、筋トレにはデメリットもあります。
筋トレを取り入れる際は、デメリットの部分もしっかりと理解して行うようにしましょう。
脱力できなくなる
筋トレをすると、筋肉は収縮を繰り返すことになります。
収縮ばかりを繰り返していると、反対の「力を抜く」ということができなくなってきます。
力を入れているつもりはないのに、無意識に力が入ってしまっている状態です。
力みが生まれてしまう
無意識に力が入ってしまっていると、ランニングフォームにも力みが生まれてしまいます。
本来なら、もっと楽に走れるのに、力みがあるために疲れやすくなります。
ケガに繋がってしまう
疲れやすいだけならまだマシです。
身体の力みは、筋肉や関節に余計な負担をかけてしまうことにもなります。
そうすると、ケガの原因にもなってしまいます。
つまり、筋トレもやり方を間違えてしまうと、脱力ができなくなり、フォームの力みが生まれ、それが原因でケガに繋がってしまうこともあるということです。
ランニングに効果的な筋トレの方法とは?
それでは、どのような筋トレ方法が、ランニングには効果的なのでしょうか?
ここでは、その方法をお伝えしていきます。
ランニング動作に繋がるようにする
ランニングに効果的な筋トレをするためには、ランニング動作に繋がる動きかどうかが大切です。
スクワットという種目を一つとっても、しゃがむ角度や骨盤の角度、膝の位置によって、鍛えられる部位は変わってきます。
その中で、ランニング動作に繋がる動きのスクワットをする必要があります。
ランニング動作では、裏ももを優位に使いたいのですが、前ももを優位に使う角度でスクワットをするとします。
そうすると、確かに筋力自体はつきますが、ランニング動作の改善としては、マイナスに働いてしまいます。
このように、ランニング動作に繋がるような動きで筋トレをしないと、単に筋肉がつくだけで、フォーム改善に繋がりません。
それどころか、フォームを崩してケガの原因になる可能性さえあります。
筋肥大させ過ぎない
ランニングに効果的な筋トレをするためには、筋肥大させ過ぎないことが大切です。
筋トレをすると、筋肉は大きくなっていきます。そして、筋肉が大きくなった分、体重も増えます。
ところが、ランニングは体重が軽い方が有利なスポーツです。
車で言うと、同じエンジンでも、車体が軽い方がスピードも出て、少ないガソリンで進むことができるのと同じですね。
また、筋肥大させ過ぎてしまうと、身体を動かしにくくなります。
例えば、胸や肩周りの筋肉が大きくなり過ぎると、腕振り動作がスムーズに行えなくなります。
よって、筋トレの目的は、筋肉を大きくして見栄えを良くするのではなく、ランニング動作をいかにスムーズにできるようになるかを目的に行うことが大切です。
筋トレが先、ランニングは後
ランニングに効果的な筋トレをするためには、筋トレを先にして、ランニングは後に行うことが大切です。
ランニングを先にしてしまうと、たんぱく質合成を阻害してしまう酵素が活性化してしまうため、筋トレの効果が減少してしまいます。
また、筋トレ後は成長ホルモンの分泌が盛んになり、脂肪が燃えやすい状態になるので、ダイエット効果が高くなります。
このように、筋トレとランニングを続けて行う場合は、筋トレは走る前に行う方が効果的です。
ランニングに効果的な筋トレ「インナリングスクワット」
ここでは、ランニングに効果的な筋トレの一つである「インナリングスクワット」をご紹介します。
インナリングスクワット
【目的】
・身体の軸を作って、走る時に重心が下がらず、キレイなフォームで走れるようにする。
・裏ももを優位に使えるようにして、膝の負担を減らし、スムーズに走れるようにする。
【方法】
①肩幅より広めに足を広げ、つま先は外側に向けます。
胸の前で両手を合わせた姿勢が、スタート姿勢です。
②スタート姿勢から、ゆっくり真下に落ちるようにしゃがんでいきます。
この時に、肩の位置が前にいってしまいがちなので、肩の位置が変わらないようにキープしましょう。
股関節や足首が硬い方は上手くキープできないので、できる範囲で大丈夫です。
しゃがんだ姿勢では、膝が内側に入ってこないように、肘を膝の内側に入れます。
かかとは浮かない方がベストですが、身体が硬くて付かない場合は浮いていても大丈夫です。
つま先より膝が前に出てしまうと、膝に余計な負担がかかってしまうため、前に出ないように注意してください。
③しゃがんだ姿勢から、お尻と裏ももを使って元のスタート姿勢に戻します。
この時に肩が前に出てしまうと、前ももを使って立ち上がる動きになってしまいます。
身体の軸をまっすぐに保って立ち上がるようにしてください。
回数を重ねて、前ももではなくてお尻や裏もも、内ももあたりがつらくなってくるようならOKです。
【目安回数】
10回〜20回×2〜3セット
まとめ
今回は、「ランニングに筋トレは必要かどうか」をテーマにお伝えさせていただきました。
話をまとめますね。
【ランニングに筋トレは必要】
「ケガをしたくない」「ダイエットをしたい」「マラソンで良い記録を出したい」方は、筋トレが必要
【ランニングに筋トレが必要な3つの理由】
①ケガの予防・改善に繋がるから
②ダイエットの効率UPに繋がるから
③ ランニングのパフォーマンスUPに繋がるから
【筋トレにはデメリットがある】
・脱力できなくなる
・力みが生まれてしまう
・ケガに繋がってしまう
【ランニングに効果的な筋トレの方法とは?】
・ランニング動作に繋がるようにする
・筋肥大させ過ぎない
・筋トレが先、ランニングは後
【ランニングに効果的な筋トレ】
「インナリングスクワット」の紹介
というお話しでした。
ランナーの方は、走ることは好きでも、筋トレは好きではなという方が多い印象があります。
僕がサポートさせていただいている方の中でも、同じように筋トレが苦手な方が多いです。
実は僕自身でさえ、筋トレは好きではありません。
しかし、筋トレの効果を理解していて、その効果も実感できるため、苦手ながらもトレーニングに取り入れています。
あなたも、筋トレに苦手意識があったとしても、実施することで大きなメリットを実感できますので、ぜひ取り入れてみてください。