実際にどんな筋トレをしたらいいんだろう?
どうせやるなら、やり方や注意点を理解した上でやりたい。
こんなお悩みが解決できます。
今までに200名以上のランナーを指導してきた実績があります。
ランニングをする上で、筋トレもした方がいいのかなと疑問に思ったことはありませんか?
ランニング初心者に筋トレは「必要」ではないけど、「やった方がいい」というのが僕の答えです。
なぜなら、ランニング初心者が筋トレを取り入れることで、3つのメリットがあるからです。
ただし、一口に筋トレといってもたくさんの種類があります。その中には、ランニングをする上でプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあります。
そこで今回は、ランニング初心者が筋トレを取り入れるメリットから、筋トレをする際の注意点、具体的なトレーニング方法までをご紹介します。
ランニングでの筋トレに関してお悩みの方は、最後までご覧ください。
目次
ランニング初心者が筋トレを取り入れる3つのメリット
ランニング初心者が筋トレを取り入れることで、以下の3つのメリットがあります。
①ケガの予防、改善に繋がる。
②ダイエットの効率UPに繋がる。
③ランニングのパフォーマンスUPに繋がる。
それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。
① ケガの予防、改善に繋がる
走ることでケガをする原因の一つに、走るために必要な筋力不足があります。
筋トレを実施することにより、走る時に使う筋力を上げることができます。
走るだけの練習と違って、筋トレは自分の弱い筋肉を狙って、効率的にトレーニングすることができます。
走るために必要な筋力の不足を筋トレで補うことで、ケガの予防や改善に繋げることができます。
② ダイエットの効率UPに繋がる
筋トレを実施した直後は、成長ホルモンというホルモンの分泌が盛んになります。
この成長ホルモンは、中性脂肪の分解を促す作用があります。
また、筋トレをして筋肉量が増えてくると、基礎代謝が上がってきます。
つまり、ランニングをしていない時間帯でもエネルギー消費量が大きくなってきます。
このような理由から、筋トレを取り入れることでダイエットの効率UPに繋がります。
③ ランニングのパフォーマンスUPに繋がる
ランニング動作に合わせた筋トレを実施することにより、走るために必要な身体の動きを改善していくことができます。
そうすると、いわゆるランニングエコノミーが向上し、少ないエネルギーで効率よく走れるようになります。
また、体力的にはハードになりますが、高強度のインターバルトレーニング(HIITトレーニング)を実施することによって、最大酸素摂取量(VO2max)の増加が期待できます。
そうすると、より多くの酸素を取り込めるようになるので、走る時の呼吸が楽になります。
つまり、筋トレを取り入れることによって、走る距離を伸ばさなくてもランニングのパフォーマンスUPが可能になります。
雨の続く梅雨の時期や、走る時間がなかなか取れない方にはもってこいですね。
次は筋トレを実施する際の注意点についてお伝えしていきます。
筋トレをする際の4つの注意点
筋トレは、やり方を間違えるとプラスに働くどころかマイナスに働いてしまいます。
筋トレを取り入れる際は、以下の4つの注意点をしっかりと理解しておきましょう。
①筋肥大が目的ではないので自重で充分
②ランニングで使う筋肉を意識して鍛える
③固めるのではなく、動かす
④筋トレが先、ランニングは後
詳しく説明していきます。
① 筋肥大が目的ではないので自重で充分
ランニングは体重が軽い方が有利なスポーツです。
同じエンジンでも車体が軽い方が、少ないエネルギーで進むことができるからですね。
よって、筋トレをする目的やその手段が筋肥大メインにならないようにしましょう。
ランニング初心者に関して言えば、バーベルやトレーニングマシンを使った高重量のトレーニングではなく、自分の体重を使った自重トレーニングで充分です。
「自分の身体をいかにうまくコントロールできるか」を重点的に考えてトレーニングしていきます。
② ランニングで使う筋肉を意識して鍛える
筋トレのやり方だけをマネしてトレーニングするよりは、ランニングで主に使う筋肉を意識してトレーニングした方が効率が上がります。
これは「意識性の原則」といい、トレーニングをする上での原則の一つです。
ここでは、ランニングで主に使う6つの筋肉をご紹介します。
1.大腰筋(だいようきん)
みぞおち辺りから両足の股関節の付け根にかけてついている筋肉です。
ランニング動作では、脚を前に出す際にメインに働く筋肉です。
2.臀筋群(でんきんぐん)
お尻の筋肉です。
ランニング動作では、着地で体重を支え、前に進む際にメインに働く筋肉です。
3.ハムストリングス
太ももの裏側の筋肉です。
ランニング動作では、着地してから前にお尻の筋肉と共に進む際にメインに働く筋肉です。
4.下腿三頭筋(かたいさんとうきん)
ふくらはぎの筋肉です。
ランニング動作では、アキレス腱と共に着地の際の衝撃緩和やバネの役割でメインに働く筋肉です。
5.前鋸筋(ぜんきょきん)
脇にある筋肉で、肩甲骨から肋骨にかけて付いています。
ランニング動作では、体幹の安定と、腕を前に振る際にメインに働きます。
6.広背筋(こうはいきん)
背中〜腰にかけて広がり、腕に付く筋肉です。
ランニング動作では、体幹の安定と、腕を後ろに振る際にメインに働きます。
筋トレをする際は、上記の6つの筋肉を中心に鍛えられるトレーニングメニューを実施していきます。
名前までは覚えなくてもいいですが、それぞれの筋肉がどこにあるかのイメージや、その働きを簡単に理解しておくといいですね。
③ 固めるのではなく、動かす
ランナーがよくやってしまいがちなのが、体幹トレーニングの代表であるプランクのような、身体を固めるトレーニングをメインに取り組んでしまうことです。
体幹トレーニングはもちろん重要ではあるのですが、ランニングは動き続けるスポーツです。
固めるトレーニングばかりしていては、身体の動きがぎこちなくなってしまいます。
動きのない、または動きの小さなトレーニングよりは、できるだけランニング動作に繋がる動きのあるトレーニングを行いましょう。
④ 筋トレが先、ランニングは後
筋トレとランニングを同時に実施する場合は、筋トレを先にして、ランニングは後に実施しましょう。
ランニングを先にしてしまうと、たんぱく質合成を阻害してしまう酵素が活性化してしまうため、筋トレの効果が減少してしまいます。
また、筋トレ後は成長ホルモンの分泌が盛んになり、中性脂肪が燃えやすい状態になります。
このような理由から、筋力を付けたい場合でも、ダイエット目的の場合でも、筋トレはランニングの前に実施する方が効果的です。
以上、4つの注意点をご紹介させていただきました。
次は、実際にランニング初心者にオススメのトレーニングを4つご紹介させていただきます。
ランニング動作に繋がるトレーニング4種目
今回ご紹介する4つのトレーニングを実施するだけで、ランニング動作に必要な筋力を向上していくことができます。
何をやったらいいのか分からない方は、まずはこの4種目にチャレンジしてみて下さい。
①インナリングスクワット
【目的】大腰筋、臀筋群、ハムストリングスを中心とした筋力UP。
【実施目安】10~20回×3set
②エルボープランクフレクション
【目的】前鋸筋、広背筋を中心とした体幹筋群の筋力UP。
【実施目安】10~20回×3set
③スケータージャンプ
【目的】ジャンプ動作による臀筋群、ハムストリングス、下腿三頭筋の筋力UP
【実施目安】10回×3set
④バーピージャック
【目的】大腰筋を使った股関節操作の向上。前鋸筋、広背筋を中心とした体幹筋群の筋力UP。ジャンプ動作による臀筋群、ハムストリングス、下腿三頭筋の筋力UP。
【実施目安】10回×3set
上記の4つのトレーニングを、週2~3回を目安に実施してみて下さい。
うまくできなかったり、フォームが安定しなかったりする種目は、無理に実施せずに回数やセット数を少なくするなどして調整してみて下さいね。
また、HIIT(ヒット)トレーニングもしくはタバタ式トレーニングと言われて、各トレーニングを20秒実施→10秒休憩のサイクルで4種目×2setの合計4分間する方法もあります。
時間の計測はアプリが便利です。「筋トレ タイマー」で検索して、使いやすいアプリを探してみて下さい。
体力的にはハードなトレーニングですが、短時間で筋力UPと持久力UPの両方が可能のため、余裕のある方はチャレンジしてみて下さい。
まとめ
今回は、「ランニング初心者の筋トレ」をテーマにお話しさせていただきました。
話をまとめますね。
【ランニング初心者が筋トレを取り入れる3つのメリット】
①ケガの予防、改善に繋がる
②ダイエットの効率UPに繋がる
③ランニングのパフォーマンスUPに繋がる
【筋トレをする際の4つの注意点】
①筋肥大が目的ではないので自重で充分
②ランニング動作で使う筋肉を鍛える
③固めるのではなく、動かす
④筋トレが先、ランニングは後
具体的にランニング動作に繋がるトレーニングを4つご紹介させていただきました。
あなたの体力レベルに応じて、一つ一つ実施していただいてもいいですし、HIITトレーニングとして実施していただくこともできるメニューになっています。
何をやったらいいのか分からない方は、まずはこの4種目にチャレンジしてみて下さい。
というお話しでした。
今回ご紹介したように、筋トレは正しく実施すれば、走るだけの練習では得られないメリットがあります。
ランニング初心者の方に筋トレは、「必要」ではないけど、「やった方がいい」です。
あなたも、今回の内容を参考に筋トレを取り入れてみて下さいね。
それでは、また。