
「マラソンに向けて練習しているけど、疲労が蓄積してなかなか抜けない」
「走り込みをしていると、ケガをしてしまう」
「疲労をできるだけ早く回復させて、ランニングを継続していきたい」
こんなお悩みが解決できます。
マラソンに向けて練習を積み重ねていく中で、意外と見落とされがちなのが「疲労の蓄積を防ぐ工夫」です。
頑張って走っているのに、なかなか疲れが抜けない、調子が安定しない、ケガをしてしまう……そんな悩みを感じたことはありませんか?
実は、練習そのものと同じくらい大切なのが「疲労から素早く回復する力=回復能力」を高めること。
今回の記事では、回復能力とは何か、どんなメリットがあるのか、そしてその能力を高めるための具体的なアプローチについて、わかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、マラソン本番までしっかりと練習を継続できるようになるための知識と方法が分かります。

この記事を書いてる僕は、2つの医療系国家資格(鍼灸師・柔道整復師)と栄養指導の資格(スポーツ栄養医学指導士)を保有しているランニングトレーナーです。
「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスしてきた実績があります。
マラソン練習で最も大切なのは「疲労をためない工夫」
マラソンに向けて練習を積み重ねていく中で、意外と見落とされがちなのが「疲労の蓄積をどう防ぐか」という視点です。
疲労がたまると、思うように身体が動かなくなり、パフォーマンスが落ちるだけでなく、ケガのリスクも高まります。
実際、多くのランニング障害は、同じ部位に繰り返し負荷をかけ続けた結果として起こる「オーバーユース(使いすぎ)」が原因です。
だからこそ、練習で身体にかかった負荷からできるだけ早く回復することが、マラソンに向けた安定したトレーニングの継続には欠かせません。
そのために大切なのが、「疲労から回復する力=回復能力」です。
回復能力とは何か?
マラソン練習を継続していくうえでカギになるのが、「回復能力」です。
回復能力とは、疲労した状態から素早く回復する能力のことを指します。
これが高ければ、次の練習までにしっかりと身体を整えられ、ケガの予防にもつながります。
ここで混同しがちなのが、「回復行為」との違いです。
例えば、
- アミノ酸やプロテインを摂取する
- マッサージやストレッチをする
- 質の高い睡眠をとる
これらはどれも疲労回復に役立ちますが、あくまで一時的なサポートであり、「回復能力そのもの」を高めるわけではありません。
そのときの疲労を和らげるには効果的ですが、疲れやすい体質が変わるわけではないのです。
一方、「回復能力」とは、体内で疲労を素早く処理・修復できる力そのもの。
これはトレーニングによって高めることができます。
そして、一度高めた回復能力は、適切な習慣を保てば持続させることも可能です。
2つの違いを整理すると、
「回復行為」=疲労した状態から様々な方法を駆使して、元気な状態に戻すことを目的とする。一時的なサポート。
「回復能力」=疲労した状態から素早く回復できる能力。トレーニングによって高めることができる。
となります。
回復能力を高める4つのメリット
「回復能力」を高めることで得られるメリットは、主に次の4つが挙げられます。
①疲労が回復するスピードが向上する
→トレーニング後の回復が早まることで、次の練習にスムーズに移行できるようになります。
②疲労が回復する度合いが向上する
→単に早く回復するだけでなく、より深くしっかりと疲労が取れるようになります。
③疲労の蓄積に起因するケガが減少する
→疲労を翌日以降に持ち越さないことで、慢性的なオーバーユース障害の予防につながります。
④疲れにくくなる
→日常生活やランニング中も、以前より疲労を感じにくくなります。
これらのメリットが得られることで、ケガの予防、コンディションの安定、練習量の確保、質の高いトレーニングの継続が可能になります。
つまり、「回復能力」は、マラソンに向けての練習を継続していくために欠かせない土台のような存在です。
そして、この「回復能力」は、生まれつきの体質だけで決まるものではありません。
疲労回復能力を高めるための身体作り=リカバリートレーニングに取り組むことで、誰でも高めることができます。
回復能力を高めるためのトレーニング:カギは「ふくらはぎ」
ここでは、「回復能力」を高めるための具体的なトレーニングを1つご紹介します。
疲労の原因にはさまざまありますが、その中でも大きな割合を占めるのが「筋肉疲労」です。
特にランニングでは、下半身の筋肉、特にふくらはぎに疲労が集中しやすくなります。
筋肉疲労がたまると、ふくらはぎを中心に下半身全体が固くなり、血流も滞りがちになります。
これが回復を遅らせる一因にもなっているのです。
よって、筋肉疲労に対する「回復能力」を高めるための重点ターゲットはふくらはぎになります。
ふくらはぎは、筋肉のポンプ作用によって、足にたまった血液を心臓に戻す役割を果たしています。
この働きから、ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれます。
この部分を柔らかく保つことで血流がスムーズになり、全身の回復力にも良い影響を与えます。
逆に、ふくらはぎが固いと、血流が滞り、疲労物質が体に残りやすくなります。
そこで、ふくらはぎを柔らかく保ち、回復能力を高めるためのトレーニングをご紹介します。
・ふくらはぎを上・中・下で3分割して、片方のすねの骨でもう一方のふくらはぎに圧をかけていきます。
・すべての区間で痛みが出ないかチェックします。
・床から手を離しても痛みがなく、正座ができる状態をキープしておきましょう。
まとめ
マラソンに向けた練習を継続していく上で、「いかに疲労をためずに回復できるか」はとても重要なポイントです。
そのカギを握るのが「回復能力」。
単にストレッチや栄養補給で疲れを取るだけでなく、身体そのものが疲労から早く回復できる状態をつくることが、ケガの予防や練習の質を高めることにつながります。
とくに、血流の要でもあるふくらはぎのケアは、回復能力を高めるうえで効果的です。
日々のトレーニングと並行して、ふくらはぎを柔らかく保つ習慣を取り入れて、疲れにくく・ケガをしにくい体を目指していきましょう。
参考図書