「マラソンを完走するのに、もっと楽に走れるようにならないかな?」
「マラソンをもっと速く走れるようになって、自己ベストを更新していきたい」
「走力アップしていくために最大酸素摂取量を向上させるトレーニング方法が知りたい」
こんなお悩みが解決できます。
前回の記事では、「マラソンをより楽により速く走れるようになるために知っておくべき5つの要素」をご紹介しました。
今回は、その中の一つである「最大酸素摂取量」について、マラソンの走力アップに繋げるための具体的なトレーニング方法を3つご紹介していきます。
前回の記事をまだ読めていない方は、こちらからご確認ください。
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マラソンを【より楽により速く】走れるようになるために知っておくべき【5つの要素】とは?
マラソンでより良いパフォーマンスを発揮するには、ただ毎日走っているだけでは思うような結果は得られません。パフォーマンスを構成する5つの要素を理解し、どの要素を伸ばすためのトレーニングなのかを明確にしてトレーニングをすることが大切です。
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この記事を読むことで、マラソンをより楽により速く走るための一つの要素である「最大酸素摂取量」についての理解を深めることができ、走力アップに繋がる具体的なトレーニング方法を学ぶことができます。
「膝や足の痛みに悩まされない走り方」「より軽やかで、より効率的な走り方」「全くのランニング未経験者からフルマラソン完走まで導くサポート」の指導を得意としています。
今までに1,000名以上のランナーのお悩みに対してアドバイスし、200名以上のランナーをマンツーマンで指導してきた実績があります。
目次
マラソンの走力アップに繋がる最大酸素摂取量(VO2max)を向上するためのトレーニングとは?
最大酸素摂取量を向上させていくためのトレーニングとして、代表的なものは以下の3つがあります。
ポイント
① HIITトレーニング
②インターバル走
③坂道トレーニング
最大酸素摂取量は、ゆっくり長く走るような練習であってもある程度は向上しますが、高強度と低強度のトレーニングを交互に繰り返すことで、より効率的に向上させることができます。
ただ、その際はトレーニング強度が高くなるため、膝や腰を痛めたり、ランニングフォームが乱れてしまうリスクもあります。
よって、初めてフルマラソンに挑戦する場合は、まだトレーニングするための身体ができていない可能性があり、ケガをするリスクの方が高くなるため、無理に取り入れなくても大丈夫です。(坂道トレーニングは実施可)
既にフルマラソン完走経験があり、自己ベスト更新を狙っていきたい場合は、効率的にトレーニングを積むことができますので、上手に取り入れていきましょう。
具体的なトレーニング方法に入る前に、まずは最大酸素摂取量に関する理解を深めておきましょう。
最大酸素摂取量とは?
最大酸素摂取量とは、運動中に体重1kgあたり1分間に体内に取込まれる酸素の最大量のことを言い、「VO2max」と略記されます。
VO2maxが高まっていくことで、走るスピードの最大値が上がっていきます。
走るスピードの最大値が上がると言うことは、最大キロ4分ペースで走れるランナーと最大キロ5分ペースで走れるランナーが、同じキロ6分ペースでフルマラソンを走ったとしたら、最大キロ4分ペースで走れるランナーの方がより楽に走ることができます。
つまり、VO2maxが高ければ高いほど、マラソンのタイムは速くなる可能性があると言うことです。
VO2maxを正確に測定するためには、研究所レベルでの専門の設備が必要になります。
測定方法として現実的ではないため、自分で測定したい場合は「12分間走テスト」を行うのが一番簡単です。
「12分間走テスト」とは、12分間をできるだけ速いペースで走り、その走った距離を元にVO2maxを割り出す方法です。
この方法であれば、スマホのランニングアプリやGPS付きのランニングウォッチがあれば簡単に実施できます。
計算は、以下の式で行います。
最大酸素摂取量=(12分間で走った距離mー504.9)÷44.73
例)
(2500ー504.9)÷44.73≒44.6
もっと簡単な方法として、心拍計測付きのランニングウォッチでの簡易予測があります。
ガーミンのアプリ(Garmin connect)で、「詳細」→「パフォーマンス統計」→「VO2Max」と進んでいけば確認できます。
12分間も全力で走りたくないという方は、こちらを参考にしてみてください。
ただし、人によっては誤差が大きいことがあるため、あくまで個人で比較するための参考数値程度となります。
ちなみに、VO2maxの数値に応じて、ある程度のフルマラソン完走タイムが予想できます。
他の要素も合わせてマラソンのパフォーマンスは決まるため、あくまで目安ですが、VO2maxが「35〜36でサブ5レベル」「44〜45でサブ4.5レベル」「50〜51でサブ4レベル」の走力があると考えられます。
こういうことを知っていると、VO2maxが上がっていくことは、トレーニングの一つのモチベーションになりますね。
VO2maxに関する理解を深めていただいた上で、次はVO2maxを上げるための3つのトレーニング方法をご紹介していきます。
① HIITトレーニング
HIIT(ヒート)トレーニングとは、「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング方法のことを言います。
HIITトレーニングの代表的な方法は、「タバタ式トレーニング」と言われる方法で、20秒間の高強度トレーニング→10秒間の休憩を4種目×2setの合計4分で実施する方法です。
呼吸が苦しくなるくらい身体を追い込むためトレーニング強度は高くなりますが、4分という短時間でVO2maxを高めることができ、効率的にトレーニングを積むことができます。
ここでは、ランニング動作に繋がる4種目のトレーニングをご紹介しておきます。
①ステップダウン
②シザース
③スケータージャンプ
④バーピージャック
時間の計測はアプリが便利です。
「筋トレ タイマー」や「タバタ式」でアプリ検索して、あなたが使いやすと思うアプリを探してみて下さい。
②インターバル走
インターバル走とは、400m~2000mのような短い距離で疾走と休息を繰り返すトレーニング方法のことを言います。
インターバル走は様々なバリエーションがありますが、代表的なメニューを3つご紹介します。
①400m×8本 (休息2分)
②1km×5本 (休息3分)
③2km×3本 (休息3分)
1km×5本(休息3分)であれば、1km走って休息を3分取り、また1km走るということを5回繰り返すということです。
休息の取り方は、「ジョグ」「ウォーキング」「その場で休憩」のどれを選んでもらっても大丈夫です。
休息のポイントは「しっかりと回復して次のランに繋げられるか」ですので、その時の疲労度によって休息方法は決めるようにします。
インターバル走の強度設定は、「全力で走る時の80%〜90%」を目安に走ります。
ランニングフォームが崩れたり、無駄な力みが出たりしないギリギリのペースですね。
ペースや心拍数を目安に設定する方法もありますが、ペースはその日の調子によって誤差が大きいことがあったり、短い距離の心拍数は正しく計測できなかったりします。
よって、トレーナーやコーチがいなくて個人で取り組む場合は、自分の体感速度で全力の8割〜9割に設定することをおすすめします。
ちなみに、インターバル走を全力で走ってフォームが乱れてしまっている方をよく見かけますが、マラソンのパフォーマンスUPに繋がる正しいやり方とは言えません。
また、休息の時間が短すぎて後半にガクッとペースが落ちることで、フォームが崩れてしまうパターンも見受けられます。
しんどい思いをしているにも関わらず、力みのあるフォームが身に付いてしまったり、最悪の場合はケガの原因になってしまったりしますので、くれぐれも強度設定には注意してください。
③坂道トレーニング
坂道トレーニングとは、100m〜200mの坂道を5〜10回ほど駆け上がることを繰り返すトレーニング方法のことを言います。
こちらも強度設定は「全力で走る時の80%〜90%」を目安にします。
ランニングフォームが崩れたり、無駄な力みが出たりしないギリギリのペースですね。
傾斜に関しては、それぞれ実施できる環境が違うため、設定した本数をこなせるくらいの坂道を選んでみてください。
まずは平地を走って加速してから、坂道を駆け上がります。
合計で100m〜200mほど走ったら、Uターンしてジョグでスタート地点まで戻り、また走るといった感じです。
もし、坂道を何度も駆け上がることに抵抗がある方は、普段走るコースの一部に坂道を取り入れることからスタートしてみてください。
マラソン大会に出場すると、少なからず坂道を登る機会はあるため、普段から坂道に慣れておくことが大切です。
そういった意味でも、坂道トレーニングはランニング初心者であっても取り入れていきたいですね。
坂道の走り方については、こちらの記事を参考にしてみてください。
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【コツを抑えよう】ランニングでの坂道を楽に走るための走り方
マラソン大会での坂道に苦手意識がありませんか?じつは、上り坂や下り坂を楽に走るためにはいくつかのコツがあります。そこで今回は、坂道の苦手意識をなくすための走り方のコツをお伝えします。
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まとめ
今回は、「マラソンの走力アップに繋がる最大酸素摂取量(VO2max)を向上するためのトレーニング」をテーマにお伝えしました。
話をまとめますね。
【マラソンの走力アップに繋がる最大酸素摂取量(VO2max)を向上するためのトレーニングとは?】
① HIITトレーニング
②インターバル走
③坂道トレーニング
・高強度と低強度のトレーニングを交互に繰り返すことで、より効率的に向上させることができる
・フルマラソン完走が目標の場合は、無理に取り入れなくても大丈夫(坂道トレーニングは実施可)
・既にフルマラソン完走経験があり、自己ベスト更新を狙っていきたい場合は取り入れていく
【最大酸素摂取量とは?】
・運動中に体重1kgあたり1分間に体内に取込まれる酸素の最大量のことを言い、「VO2max」と略記される
・VO2maxが高まっていくことで、走るスピードの最大値が上がっていき、結果的にマラソンのタイムは速くなる可能性がある
【① HIITトレーニング】
・HIIT(ヒート)トレーニングとは、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング方法のこと
・HIITトレーニングの代表的な方法は、20秒間の高強度トレーニング→10秒間の休憩を4種目×2setの合計4分で実施する方法
・4分という短時間でVO2maxを高めることができ、効率的にトレーニングを積むことができる
【②インターバル走】
・インターバル走とは、400m~2000mのような短い距離で疾走と休息を繰り返すトレーニング方法のこと
・代表的なメニューとしては、「400m×8本 (休息2分)」「1km×5本 (休息3分)」「2km×3本 (休息3分)」
・全力で走ってフォームを崩さないように注意する
【③坂道トレーニング】
・坂道トレーニングとは、100m〜200mの坂道を5〜10回ほど駆け上がることを繰り返すトレーニング方法のこと
・坂道を何度も駆け上がることに抵抗がある方は、普段走るコースの一部に坂道を取り入れることからスタートする
・マラソン大会に出場すると、少なからず坂道を登る機会はあるため、ランニング初心者であっても取り入れていく
というお話しでした。
VO2max向上のトレーニングは、どうしても強度が高くなってしまうため、週1回だけの実施で充分です。
実施した翌日は走らないようにするか、ゆっくりペースのジョグ程度に抑えておきましょう。
ちなみに、今回ご紹介したトレーニングを実施した直後は、身体が脂肪を燃焼しやすい状態になっているため、そのまま30〜60分のゆっくりペースのジョグをすることで、ダイエット効果も高めることができます。
マラソンの走力アップはもちろんですが、ダイエットを目的にランニングをする方も上手く取り入れていきたいですね。
それでは、また。